平成14年12月10日(火)第2,3校時 指導者 3年担任 海原 容子
4年担任 綱島 弘通
1 単元名 世界の子どもと仲よくなろう
2 単元目標 ・外国の友だちと仲よくなろうとするとともに,外国の子どものよさに気付く。
・自分の身近な生活と他国の生活を比べて違いや共通点に気付き,それを認める。
・世界には,貧困や戦争の被害に苦しんでいる子どもがいることを知る。
3 単元について
(1)児童について
本学年の児童(3年生 13名,4年生 19名)は,総合の学習には大変積極的で,特に『フ ィリピンのジュースを味わおう。』『インターネットで交流国のことを調べよう。』などの学習は 意欲的に取り組む子が多い。また,グループ学習では,協力したり助け合ったりしながらスムー ズに学習を進めることができる。ただ,グループ内で役割が固定化し,友だちに頼ってしまう子 も見られる。積極的に発言できるが,言いたい気持ちの方が強く,人の話をきちんと聞くことが できにくい子もいる反面,自分の思いをなかなか口にできない子もいる。課題を決めて調べたり 考えたりという活動は活発にできるが,調べ方やまとめ方はまだまだ十分とは言えない。外国の 人との交流という面では,今のところはALTの授業だけで,日常的には外国の人と触れ合う機 会は少ない。
そこで,日頃から世界に目を向けるように、朝の集会などで外国の話題を提供してきたところ, 外国の出来事にも関心を持つ子が増えてきたと思われる。また,人前で自分の考えや思いをみん なが言えるように,朝の集会にスピーチを取り入れてきた。話し方や聞き方に気をつけることが, 友だちを認めることや友だちのよさに気付くことにもつながると考えた。グループ学習をする時 には,少人数のグループにすることで,友だちに頼ることなく,それぞれが自分の課題を明確に しながら学習できるようにさせたい。
児童は,交流相手国や,調べるテーマなどを自分で決め,交流相手国の友だちに書く手紙の内 容を自分で考えたり,自主的に家庭で書いてきたりするなど,これまで以上に学習に対して積極 的に取り組む姿が多く見られるようになってきている。
(2)指導にあたって
・ 本単元を設定するに当たり,まず,相手の顔が見える国際交流になるようにと考えた。外国を調べる活動を組むときにも,自分たちと交流することのできる相手がいないことには思いを伝えようという意欲が湧いてこないように思う。そこで,手紙やメールの交換が可能なところということでフィリピン・インド・アメリカの3カ国が浮かんだ。いずれも快く交流を引き受けてもらうことができ,手紙やメールなどでの交流が始まった。
・ 1学期中に各国の全体像,基本的な地理や生活についてインターネット・本・パンフレットなどで情報を収集していった。また,外部講師を招き現地の話を聞くことができた。お菓子やお茶を飲むなど子どもたちにとっておいしくて楽しい活動もあわせて行った。日本のものとよく似ているようなお菓子もあったが,見たこともないお菓子や少し味の違うお茶もあり新鮮な驚きも多かった。しかし,相手が見えてこないと単に「おいしかった。」で終わってしまう。同じ視点で生きている子ども同士で交流することが不可欠のように感じられた。
交流を深めることで,自分たちとの共通点あるいは相違点を知り,お互いのそのままの姿を受け入れ,自分の住んでいる国や地域も相手の国や人も大事に思えるようになってほしいと願い本単元を設定した。
・ 2学期に入り,本単元以外に聴覚に障害のある方(児童の保護者)を講師に迎え「手話を学ぼう」という活動を組んだ。子どもたちが日常会話の中で使っている言語と違うコミュニケーションのとり方だが,一生懸命聴き相手のことを考えながらわかるように話をするという体験をすることで,お互いに分かり合えるということをつかむことができた。これはALTの時間のトビ−先生との会話などにも共通するものがある。外国の子どもたちと手紙やメール交換をする時には使用言語が当然違っており,コミュニケーションをとる際に不便が感じられた。3・4年生の児童は直接英語など使えないので,担任や保護者が支援をしながら自分の思いや聞きたいことなどを積極的に伝えようとする意欲を高めると共に,お互いに分かり合おうとする思いを大切にしてきた。
・ 本テーマにおいては,交流相手の友達だけでなく,世界中には同じ子どもでありながら,貧困や戦争の被害に苦しんでいる子どももいることを知ってほしいと思い,絵本や資料などで子どもたちに情報を提供した。そして,学習発表会・参観日などを通してさらに多くの人々に自分たちが学んでいることを発信する活動も取り入れさせている。
4 単元でつけたい力
【人間理解力】
・ 交流相手国の友だちよいところを見つける
【文化理解力】
・ 自分たちと交流相手国との生活の違いや共通点に気づく。
【世界の現実理解力】
・ 世界には貧困や戦争の被害に苦しんでいる子どもがいることを知る。
【コミュニケーション力】
・ 手紙やメールを使って交流相手国の友だちと進んで情報交換をする。
5 単元計画
世界の子どもと仲よくなろう(55)
どこの国とかかわりがあるかな?(1) インドの話を聞こう・インドのチャイと日本の紅茶を飲み比べよう(2) フィリピンの話を聞こう・フィリピンのお菓子やジュースを食べよう(2) アメリカの話を聞こう・アメリカのクッキーを食べよう(2) どの国の人と友達になろうかな?(1) 交流国のことを調べよう(7)
交流国の友達に手紙を書こう(1+課外) 交流国のことを調べよう(9) 世界にはいろいろな子どもたちがいることを知ろう(1) 交流国の友達から聞いたことと自分たちのことを比べてみよう(2) 学習発表会で多くの人に知らせよう(5) 中間発表の準備をしよう(8) わかったことをみんなに知らせよう《参観日(1)中間発表(2)》・・・ 本時 もっと聞いてみたいことを手紙に書いて調べてみよう(6) 調べたことをまとめよう(4) お礼の手紙を書こう(1) |
6 本時について
(1)本時の目標
・交流相手国(フィリピン・インド・アメリカ)についてテーマを決めて調べてきたことをわ かりやすく発表する。
・友だちの発表をよく聞き,よさを認めるとともに、質問や感想を言うことができる。
(2)本時の展開
学習活動 |
評価の観点 |
教師の支援 |
準備物 |
1はじめの歌「と もだちになるた めに」を歌う。
2めあてをつか む。
3調べてきたこと を発表する。
・フィリピンの学 校 ・インドの学校 ・アメリカの学校
・インドのスポー ツ ・フィリピンの神 様 ・アメリカの行事
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(発表する側) ・声の大きさ・ 視線などを工 夫して,わか りやすい発表 ができたか。
(聞く側) ・友だちの発表 をよく聞いて 質問したり感 想を言ったり することがで きたか。 |
・歌を歌うことで緊張をとく。 (T1)
・本時の活動内容を確認する。 (T1)
・わかりやすい発表,聞く側を意識し た発表ができるよう基本を確認する。 (T1) ・質問や感想が言えるようによく考え ながら聞かせる。 (T1,T2) ・発表するグループの指示が徹底しな い場合には,教師も支援する。 ・質問にはグループ内で相談して答え させるが,困っている場合は,教師 がアドバイスする。
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オルガン
移動黒板
教材提示装置
カード
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4体験してほしい ことをみんなに 紹介する。
5次の活動の計画 を立てる。
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( 休憩 ) |
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・「○○(国名)の△△を体験しよう。」 というテーマでみんなに体験してほ しいことを紹介する。(体験コーナ ー)
・友だちの感想や質問・他のグループ の発表などを聞き,「もっと調べて みたいこと」を考えさせる。
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体験コーナー で使う物
カード
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