授業反省会 中学年部 司会者 井戸 眞介
1 単元名 世界の子どもと仲良くなろう
2 取り組みと授業反省
<全体の取り組み>
○「国際理解教育」1年目の取り組みだったが,楽しく取り組めた。子どもに,意欲や表現力もついてきたようだ。学校の取り組みとしては,1・2年,3・4年,5・6年が合同授業で行っているが,いろんなことが相談できるといったいろんな効果があり,いい面も多かった。
<実 態>
○
米来小学校全校113名。地域は,学校に対して協力的で温かい,反面新しいことに抵抗のある,といった傾向もある。身近な「国際理解」といっても,児童の保護者の方(フィリッピン)とALTの先生のみである。この中で,子どもたちに「国際理解」の教育をさせたいと考え,スタートした。
特に,次の2点に気をつけている。
@ 相手の顔が見える
A 地域で交流する
<授業反省>
○
本時では,3・4年合同で,「調べ学習」「体験の学習」の両方をしてきたので,この2つの活動両方を発表した。「調べ学習」では,自分の興味を持ったことを調べて,発表した。グループ作りも,1人・2〜3人・4〜5人様々である。内容も「絵」「クイズ」「紙芝居」「ゲーム」それぞれにアイディアを出していた。
クイズでは,思わぬ質問に答えられなかったり,グループ発表では,参加者を選ぶのに時間がかかったりしたようだ。みんな今日の発表を楽しみにしていた。
○ 交流相手国を選ぶのに,「お父さんの出張した国」「両親が新婚旅行で行った国」などたくさんの国が出てきたが,交流できる国ということで,アメリカ・フィリッピン・インドの3つの国に絞られた。
○ 1学期には,3つの活動を行った。
1 各国の基礎知識を調べる
2 ゲストティーチャーに聞く
3 それぞれの国の食べ物を味わう
しかし,学習効果があまり上がらなかった。@子どもたちのテーマがあいまいA調べる方
法が限られている(図書・インターネット)+3・4年の学習技能不足B担任が適切なアド バイスできていなかったなど,の理由が考えられる。
○ 2学期には,一学期の反省をもとにして,再スタートした。
1 世界の子どもと仲良くなろう(子ども同士の交流体験)
テーマの再検討をして,交流相手がはっきりしたことで,目標も明確になった。
2 手紙やメールのやりとり
返事が個別に返ってきて,子どもたちも大喜びだった。
3 人間理解・コミュニケーション力づくり(手話の学習)
<成 果>
○
3カ国の直接交流ではなかったが,相手を個人にしたことで,相手のことがより具体的に理解できた。⇒今後も十分取り組める
○ 手紙・手話の活動で,「話す」「聞く」「発表」の力がついてきた。
○
「総合」の活動を通して,保護者との関係ができ,より協力してくれるようになった。
○
日本のやりかただけではない(違い)と他国のよさ(よさ)の二つがよく理解できた。
<質 問>一番子どもたちの心に響いた活動
は,どんな活動でしたか。
<答え>1 交流相手から,メールが届いたとき
に相手から,誉めてもらったこと。
2 食べる活動です。
<指導・講評>
1 なかなか「国際理解教育」にふみこめない現実が
ある。教師の意気込みが子どもを変え,学校を変えていく。
「地域の実情」の視点を変えると,本当に身近な生活の中に「国際理解」がある。
「共に生きる」というのは,地域のなかにある。
2 「身につけたい力」をはっきりさえているのがすばらしい。今日の授業の中にも
学年のねらいがはっきりしていた。
3 人との関係を大切にした活動であった。ゲストティーチャー・手紙のやりとりなど,人との関わりから総合的な学習を実施している。今後は,今の学年のくくりを次年度にどうつなげていくか,明確にしていく必要がある。
4 1・2年(生活)で,身の回りから気づかせる,3・4年で出会い・調べる
5・6年は,発信・何ができるか,というような学年を通した柱を組み立てていくのが今後の課題である。