第1分科会「人間理解・多文化理解」 ボンベイ日本人学校における人間理解・多文化理解
久世町立 米来小学校  教諭 綱島 弘通
 
1 インド / ムンバイ(ボンベイ) / ボンベイ日本人学校
 ○インド
   ・面積  約330万 平方q(日本の約9倍)   
    人口  約10億人    (日本の約8倍)…世界第2位  
   ・気候                          
   ・言語 17の公用語  州が違うと言葉も変わる
       インド全体で通じる共通の公用語 ‥ ヒンディー語・英語    
                                      
   ・産業 農業が盛ん                          
 
   ・宗教   ヒンドゥー教   (83%)
         イスラム教    (11%)
         キリスト教    ( 2%)      
         シーク教     ( 2%)
         ゾロアスター教
         ジャイナ教
         仏教
         その他
 
   ・その他  カースト制度 … 憲法では禁止されている。しかし日常生活の中でカース                  トを意識せずに暮らすことはできない。
            (結婚相手   同じ宗教・同じカースト・同じくらいの経済力)
 
 ○ムンバイ(ボンベイ)
   ・インド最大の商業都市
   ・インド亜大陸の西側のアラビア海に面している。
   ・気候 … 雨期(モンスーン期)[6月〜9月]  乾期[10月〜5月]
 
 ○ボンベイ日本人学校
   ・児童生徒数 30人〜40人 (小学部 中学部)
   ・語学教育  英会話 … 1・2年 ー 週1時間   3年〜9年生 ー 週2時間
          ヒンディー語 … 年5時間
 
2 葛藤の1カ月 
 
 ○大きなマイナスイメージからのスタート
   ・転入前     住み慣れた場所・地域,学校,家,友だちとの別れ
            遠い異国・未知の世界への不安
   ・インド到着後  厳しい気候,外国ということでの緊張感,不便さ
            汚い 
            インド人への第1印象                   
   ・保護者のインド赴任に対する考え方の影響                  
 ○1カ月で (温かい家庭のような雰囲気の中で)
   ・学校の雰囲気 … 1年生から9年生まで一緒に遊              ぶ。  
   ・生き生きとした子どもの姿 … 明るく,元気に,    伸び伸びと暮らしている。
   
 
 
 
3 ボンベイ日本人学校における人間理解・多文化理解 
 
  学校教育目標   たくましく 意欲的に生きる 国際性豊かな 子供の育成
  めざす子ども像 人間性豊かなたくましい子供

小学部 ・学ぶことの楽しさを知り,自分で考え,自ら取り組む子(知育)
    ・礼儀正しく,明るく思いやりのある子(徳育)
    ・健康・安全に気をつけ,楽しく運動する子(体育)
    ・インドの良さに目を向け,みんなと仲よくできる子(国際理解)
 
 ・本校児童・生徒の実態
   @学習や教育活動に意欲的に取り組んでおり,全般的に学習に対する理解度は高い。
   A明朗快活に学校生活を送り,学年の隔たりなく仲よく活動している。
   B上級生は下級生の面倒をよくみており,下級生は上級生を慕っている。
   C保健衛生面の問題もあり,現地理解教育には困難が伴うことも多い。しかし,保護者の    理解・協力を得て体験的な国際交流を継続・実践した結果,インドの文化や習慣に対し    て興味や関心を示す子が増加している。
   D生活環境の違いや安全面での心配があり,学校外で外遊びや体験的活動をする機会は少    ない。
   E保護者は,2〜3年で転勤することが多く,年間の転出入が多い。保護者の教育への関    心は高く,学習指導や進路指導への期待は大きい。
 
 ○スタッフ感謝デー(インド版 勤労感謝の日 11月23日前後)
   学校でいつもお世話になっているインド人スタッフに感謝し,その気持ちを伝える会。




 

 事務員さん     スクールバスのドライバーさん
 用務員さん     ウォッチマンさん
 掃除婦さん     庭師さん
 

 感謝の言葉 
 簡単なプレゼント

 
 ○デルクッシュ スペシャルスクール との交流
   (ムンバイ郊外にあるインドの養護学校  日本人のシスターが働いておられる。)  
   多くの児童生徒はダウン症。
   年令の高い生徒は実習で「ペン立て・キーホルダー・コースター」などを作っている。
   実習の様子や授業の様子を見せていただく。
   十分ではないが体は動かせるので,ダンスや遊びを通して交流する。
   
 ○日常の教育活動の中で
    ・ストリートチルドレン
    ・物乞いをする人
    ・障害を持った人
    ・スラム
    ・インドやインド人に対する偏見
 
 ○グルモハル祭 
   日本人学校が各インターナショナルスクールと地元校を招待して交流する行事。
                  
 ○交流活動
  ・ジャーマンスクールとの交流      仮装パーティーへの参加  1年生〜4年生   ・グリーンロンズスクールとの交流    ランゴリーフェスティバルへの参加  全校
  ・アメリカ,ロシア,ジャーマン,フレンチ各校との交流  インターナショナルスポーツデーへの参加  全校  
 
 ○インド研究クラブの活動  3年生〜9年生  (1,2年生は生活科で)

・インド音楽研究   ・インド食べ物研究   ・インドフルーツ研究
・インド遊び研究   ・インド映画研究    ・インド乗り物研究
・インドお店研究   ・インド絵画研究    ・ヨガ研究     など