教諭 櫻井敬明
みんなの熱い涙でローマを送られて,早,3ヶ月が過ぎました。今でも,時折,ローマ日本人学校の校歌や子どもたちの笑顔が脳裏をよぎります。
さて,書きたいことはたくさんありますが,今一番書きたいことをと思うと,最後に担任した4年生のことがぱっと頭に浮かびましたので,そのことを中心に書きたいと思います。
普段から,みんなとても仲が良い,全校の前で発表することが多い,一人ひとりの活躍する場面が多い,などです。
もう一つの例をあげてみますと,現地校との交流会での活動です。日本人学校も現地校も,普段の授業で学習している英語を使って,合同授業を企画した時のことです。お互い母国語ではない言葉を使って会話をしようとする時に,大変重要なことは,勇気を出して,伝えようとする姿勢です。得てして,日本人にはこの姿勢が欠けると言われますが,このことは彼らには当てはまらないなと思いました。自分から積極的に話しかける,なんとか身振り手振りで話しかける,
ロールプレーで積極的に演じる,英語の歌を大声で歌う。彼らを見ていると,これからの日本に明るい希望が持てるなと感じました。私が赴任した当時,イタリア語と英語の時間は,講師の先生に任せきりで,使えない言語になっていました。それをなんとか打破しようとして,職員が一つになって言語を含めて取り組んだ「総合的な学習の時間〜ローマの時間〜」が,実を結んだなと感じたのもこの瞬間です。「子どもたちの無限の可能性」という言葉を正直信じる気持ちにさせてくれた彼らに感謝しています。