ユーカリ通信
                  メルボルン日本人学校 校長 山本 正
 
 ご無沙汰しております。皆様,いかがお過ごしでしょうか。
 私が派遣されているメルボルンは,オーストラリア・ビクトリア州の州都です。人口約360万人の大都市ですが,自然が豊かで公園のように美しいまちです。かつてはオーストラリア連邦の首都でした。
 平成14年度には,「世界でいちばん住みやすい都市」に選ばれたそうですが,それほど,衣食住すべてがすばらしいところです。
 魅力いっぱいのまちですが,そのひとつは,世界中の食べ物を味わうことができることです。英国の植民地から出発した国ではありますが,第二次世界大戦以降,イタリア,ギリシャ,ドイツ,ユーゴスラビア等の欧州系移民や,最近ではアジア系移民も多数受け入れており,日本では想像できない多文化社会になっています。そういうことで,世界の食文化を味わうことができます。
 自然が豊かなこともこのまちの魅力のひとつです。少し郊外に行けば,野生のコアラやカンガルーに出合うこともできますし,ペンギンやアザラシを見ることも可能です。スピードが出せるのでドライブは苦になりません。私の家にも,マグパイをはじめたくさんの鳥たちがやってきますし,夜になるとポッサムという不思議な有袋類がやってきます。
 次に,メルボルン日本人学校のことですが,ここでは,オーストラリアにある在外教育施設ならではの特色ある教育活動と言える本校の充実した英語教育と現地理解教育についてのみ簡単にふれておこうと思います。
 まず英語教育は,小学校低学年はESL週4時間,中学年はESL5時間,高学年はESL 4時間と英語2時間です。中学部は,ESL3時間と英語5時間です。ESL(第2言語としての英語)は,オーストラリアで生き延びるための英語と言っていいかもしれません。これはオーストラリア人教師が指導しています。実践的英語運用能力を高めるために現地校と合同授業を行っていることも本校英語教育の特色です。
 現地理解教育という点では,校門を一歩出ると,そこはオーストラリアなので,教材に困ることはありません。小学部は校外学習,中学部は総合学習の現地調査などでよく外に出かけています。また,小学部・中学部ともに宿泊学習を行っています。私は中学部の宿泊学習(3泊4日)についていきました。メルボルン郊外の牧場の中にある宿泊施設に泊まって,乗馬を中心とした体験学習を行いました。馬に乗ってユーカリのブッシュを散策する気分は最高でした。美しい星空のもとでのナイトハイクも印象的でした。最後の日はビクトリア州第2の都市ジロングで班別自主学習も行いました。
 学校のことや教育内容などの詳細については,本校のホームページ(http://www.jsm.vic.edu.au/index.html)を見ていただきたいと思います。なお,本校のホームページは,日本の子どもたちが,総合学習等の学習でオーストラリアについて知りたいとき,参考にしていただけるように配慮していますのでご活用下さい。