アンデスの鳥たち
ケーナの音色に惹かれ、アンデスに旅した。今の南半球は冬から春へ移りかけている。謎の空中都市・マチュピチュ(二千四百b)に立ち、天空を見上げる。コンドルだろうか、上昇気流に乗り大きく旋回している。案内人によると、コンドルは稀少鳥となり、このあたりでは見られなくなったとのこと。「コンドルは飛んでいる」の曲は、確かにこの地で作られたそうだが、「コンドルはもっと高地に飛んでいった」ようだ。「では、あれは何か」と尋ねると「カラカラ」と言う答え。ワシの様な羽先で羽根に白いすじ状が見える。一メートル近くの鳥であった。マチュピチュでは現在、八十六種が確認されているそうだ。ちなみに、コンドルは「アアー、アアー」と鳴くそうだ。スズメがいた。目尻が少々黒っぽい。カシラダカと思えるものが草原で遊んでいる。腹の白いツバメ。きっとイワツバメだろう。数羽が飛び回っている。キジバトに似たハトも発見。インカ・レン(ミソサザエ)が一番多く見られた。リマ近くのパラカスの庭で、掌に入るほどのハチドリがブーゲンビリアの蜜を吸うためのホバリングに直面する。体長約十センチ、そして嘴が三センチ位あった。謎のナスカの地上絵にも描かれている国鳥様だ。近くのバジェスタ島付近は、フンボルト海流(寒流)とエルニーニョ(暖流)とのぶつかる場所だけに鳥たちにとっても一番の漁場だ。魚を狙う多くのカツオドリ、アジサシ、ペリカン等が観察できた。チチカカ湖では、カイツブリのような鳥の首に紐をつけて、鵜飼いと同じ漁法を行っていた。このように、標高三千メートルから四千メートルの空気の薄いところにも多くの鳥類が生息していることを報告いたします。
多くの鳥の名前が分からないため、短い報告となりました。
藤木靖史