シンガポールにおける風水(Feng shui)物語

シンガポール日本人学校中学部   教諭 土居 浩

 今回の稿では、シンガポールの風水についてふれてみたい。
 シンガポールの建造物は、市街地の外観も含めて、アジア、欧米各国の先進国からのよいところを取り入れて設計されている。商業地域、金融地域、観光地域、工業地域、居住地域などに大まかに分けられている。その上、クリーン&グリーン政策の推進により、ビルの屋上からの風景は、緑の中にビルが所々顔を出しているように見える。熱帯地方なので日陰をうまくつくるという点でも効果的である。その上、その区分けされたそれぞれの地域の中で、無造作にビルが建てられているわけではない。風水を利用して建てられているのである。

 まず、風水とは何かということであるが、天地に充満するエネルギーを効果的に使うことである。地形の意味をうまく読みとって吉凶を判断する「地理風水」の活用が、ここシンガポールでは行われてきた。また読みとるだけでなく、このエネルギーの流れを制御することによって吉祥をもたらせてきた。

 風水には、4つの原則がある。それは、「龍」「穴」「砂」「水」の4つである。「龍」とは、龍脈のことで、主に山脈の形状を示している場合が多い。

「穴」とは、龍脈の中でも気が集中しているツボをさす。

「砂」とは、龍穴の周囲の地形のこと。

「水」河川や湖沼の位置や形のこと。

 これらの4つを総合的に判断することによって、吉祥の地を探し出すことができる。そのために、中国では、風水師と呼ばれる人々が必要とされてきた。エネルギーの流れは、複雑で、しかも絶えず変化している。探し出すこととともに理想的な状態をつくることも並行して行ってきた。その上で、エネルギー(気)が枯渇しないよう循環流動させる技術を開発してきた。いわば、人間のツボに鍼を打って気の循環を良くするようなものである。

 風水の専門家、風水師によって異なる見解をしていることもある。以下、代表的な5つの原理を参考のため載せておく。

1.龍(地龍)〜大地の気(エネルギー)の流れ
2.五行の原理(惑星及び季節と対応)
3.四神相応の理(4方位東西南北の守護神−青龍、白虎、朱雀、玄武)
4.陰陽の原理
5.八卦(はっか)方位と九星占い
  次に、シンガポールが大変恵まれたロケーションで繁栄が約束された地形に存在していると言われるのは、次の理由があげられる。

○ 海に囲まれている。(日本も同じ)水はお金と風水学では考えられている。
○ 鯉(マレー半島)の口にあたる場所に位置している。鯉は、風水学では、幸運な魚ととされている。同じような地形に香港島があげられる。

○ 5つの龍がすんでいる。以下の図参考
  シンガポールの地における風水(龍脈)のとらえ方を見ると以下の図のようになる

 シンガポールの建造物は、市街地の外観も含めて、アジア、欧米各国の先進国からのよいところを取り入れて設計されている。商業地域、金融地域、観光地域、工業地域、居住地域などに大まかに分けられている。その上、クリーン&グリーン政策の推進により、ビルの屋上からの風景は、緑の中にビルが所々顔を出しているように見える。熱帯地方なので日陰をうまくつくるという点でも効果的である。その上、その区分けされたそれぞれの地域の中で、無造作にビルが建てられているわけではない。風水を利用して建てられているのである。

 まず、風水とは何かということであるが、天地に充満するエネルギーを効果的に使うことである。地形の意味をうまく読みとって吉凶を判断する「地理風水」の活用が、ここシンガポールでは行われてきた。また読みとるだけでなく、このエネルギーの流れを制御することによって吉祥をもたらせてきた。風水には、4つの原則がある。それは、「龍」「穴」「砂」「水」の4つである。

「龍」とは、龍脈のことで、主に山脈の形状を示している場合が多い。

「穴」とは、龍脈の中でも気が集中しているツボをさす。

「砂」とは、龍穴の周囲の地形のこと。

「水」河川や湖沼の位置や形のこと。

 これらの4つを総合的に判断することによって、吉祥の地を探し出すことができる。そのために、中国では、風水師と呼ばれる人々が必要とされてきた。エネルギーの流れは、複雑で、しかも絶えず変化している。探し出すこととともに理想的な状態をつくることも並行して行ってきた。その上で、エネルギー(気)が枯渇しないよう循環流動させる技術を開発してきた。いわば、人間のツボに鍼を打って気の循環を良くするようなものである。風水の専門家、風水師によって異なる見解をしていることもある。以下、代表的な5つの原理を参考のため載せておく。

1.龍(地龍)〜大地の気(エネルギー)の流れ
2.五行の原理(惑星及び季節と対応)
3.四神相応の理(4方位東西南北の守護神−青龍、白虎、朱雀、玄武)
4.陰陽の原理
5.八卦(はっか)方位と九星占い

  次に、シンガポールが大変恵まれたロケーションで繁栄が約束された地形に存在していると言われるのは、次の理由があげられる。
○ 海に囲まれている。(日本も同じ)水はお金と風水学では考えられている。

○ 鯉(マレー半島)の口にあたる場所に位置している。鯉は、風水学では、幸運な  魚ととされている。同じような地形 に香港島があげられる。
○ 5つの龍がすんでいる。以下の図参考

シンガポールの地における風水(龍脈)のとらえ方を見ると以下の図のようになる。

ドラゴン

シンボル

場    所

風水

CENTRAL

POLITCS

ウッドランド〜フォートカニング

WEST

TECHNOLOG

リムチューカン〜パールヒル

SOUTH

MONEY

イーシュン〜イスタナ

EAST

CULTURE

ポンゴール〜チャンギヒル

NORTH

DEFENCE

ジョホール海峡〜テコン島

 

 なお、West,South,Centralの龍が出会うのは、シェントンウェイ&サウスマリーナ地域であり、この地域は、世界の金融機関や有力企業のオフィスが集中している。3匹の龍の気が集まり、アジアの経済の中心地に発展してきたことがわかる。

  続いて、風水学が応用されて建てられた建造物を見ると、一番にぎやかなオーチャード通りのグラウンドハイヤットホテル、十数年前に大かがりな改装工事を行った。ホテル入り口の扉を道路と平行だったものをすべて斜めに傾け、正面の噴水や、フロントの位置も変えた。その後、順調なホテル経営をしている。   (写真参照)

 その他の建造物では、マリオットホテル、ウィスマアトリアビル、ニーアンシティ、パラゴンショッピングセンターなどがあげられる。どれも、休日には、人でいっぱいになっている。まさしく、風水の効果が現れているといえよう。

  風水を利用し、東南アジアの雄に成長したシンガポールであるが、全て順風満帆というわけでもないようである。貧富の差、IT教育の弊害、コンピュータ関連事業の景気などである。
グローバル化が進んでいる昨今、自国の国益のみを追求していくだけでは、もはや、時代遅れなのである。21世紀は、協調と平和をいかにして、各国と築き上げていくかにかかっているといえる。

「日本列島は、太平洋に飛び込んだ愛児(四国)を抱える龍で、富士山という立派な気が湧き出る祖山を有し、、風水学上、理想的な姿と環境を有している。」と風水研究家は言っている。21世紀の日本は、さらなる繁栄が約束されていると言ってもいいようである。

【参考文献】 風水の本(株)学習研究社1999年10月編集制作 少年社・中村友紀夫、武田えり

【協  力】 (有)ガク・アソシエイツ 海外旅行研究所    主任研究員 柴田憲信氏

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