平成27(2015)年度

特定非営利活動法人(NPO全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会

     

第26回
 大  阪

                       

近畿ブロック国際理解教育研究会 大阪大会

報告集

大会主題 

「グローバルコミュニケーション力を  

     活かす子どもたちを育む大人のしかけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 =開会式風景=

期 日 平成27年10月31日(土)

 

会 場 大阪教育大学天王寺キャンパス



第26回近畿ブロック国際理解教育研究会(大阪大会)記録

2015年10月31日(土)

大阪教育大学天王寺キャンパス

 

1 開会挨拶・・・大海研会長 臼井 淳

  

2 来賓挨拶・・・大阪府教育委員会 教職員人事課 参事 磯村 昌宏 様

  外国と交わる多文化共生の時代。2020年東京オリンピックにむけて。英語教育の実施計画が画策される。その中で自他を認め合い,文化の違いを尊重する多文化共生の教育を進めていく。

 

3 基調提案・・・大海研副会長 近藤 裕敏 

  多くの外国人が来日。観光地だけでなく日本人という国民性も見られている。100か国以上の外国人居住者や国際結婚等の増加により多文化共生社会が必要な時代となり,ブローバルな視点が必要となってきている。「世界とつながる子どもたち」の育成が望まれる。

 

4 講 演・・・公益財団法人 海外子女教育振興財団関西分室 室長 山岡 荘平 様

  演題「海外子女教育の現状」

財団の役割は,主に「ハード」のサポート役として活動していくこと。しかし,ソフト面でのサポートも欠かせない。国内の教育実践においては,多文化共生社会の充実という視点を,海外派遣においては,「相手国をリスペクトする」という視点を大切にすることを忘れないでほしい。

(1)海外子女数の推移

アジア諸国の中で学ぶ子どもが増加している。長期滞在者も多くなってきている。

(2)海外子女の就学状況

海外における学校選択の多様化(日本人学校・現地校・インターナショナル校等)

各国の学校制度と日本の学校の制度の違い(大きなギャップ)

子どもたちや保護者の持つ不安・負担

(3)帰国子女数の推移

   帰国子女数の多い都道府県

(4)帰国子女の就学状況

   各国の就学年齢が違うため,日本の高校への編入学や大学入試受験への手続きが複雑になってしまっている。

(5)相談事例から

   出発前・・・   滞在中・・・   帰国後・・・

(6)派遣教員の推移

   派遣教員は若干減少している。シニア派遣制度導入によりシニア管理職が増大している。

(7)先生方にお願いしたいこと

   帰国子女の学校選択について(進路選択・進路指導の充実)

   帰国後,学習に適用できるように見通しを持って対応すること

 

5 分科会報告 4〜9ページ

 

6 閉会行事

(1)分科会報告

・国際理解教育

 @アメリカ

  多くの児童生徒が現地校や補習校に通う地域性の中での日本人学校らしさの発見

 Aメキシコ

  現地児童生徒と日本人児童生徒が同じ敷地内で学ぶ環境を活かす

・多文化共生教育

 @シンガポール

  子どもの中の多文化 総合的な学習の時間で多文化共生を地域にアピール

 Aインド

  インドを知ってもらう事と安全との兼ね合い,赴任者への理解と帰国後への期待

・現地理解教育

 @ハンガリー

  ベルリンの壁が崩れるまでを子どもたちが自分の言葉に変えて劇化

 Aコロンボ

  人との関わり 行けば本物に会える

 

(2)閉会挨拶 大海研副会長 武井 諭

 

(3)次年度開催府県:兵庫海外子女教育・国際理解教育研究会 会長 丸山 一典 様

全海研の全国大会としても開催される(8月上旬予定)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ハイコストパフォーマンスの懇親会も和やかに行われました。

 


《 分科会記録の部 》

近畿ブロック大阪大会 国際理解教育@ (滋賀) 分科会 記録

報告者名

滋賀県草津市立渋川小学校 教諭 宮嶋 貴憲

参加者数

35名

討議の柱

現地での多様な経験を活かし、国際理解教育をどう仕掛けるか。

報告と

討議の概要

報告名「The New Jersey Japanese School

ニュージャージー日本人学校は60人程度の中規模校で、現地校や私立校、補習校等のライバルが非常に多い環境で運営が行われている。授業では「学び」を大切に、少人数を活かし「わからない」と言える環境を作りだすことを心掛けた。また、充実した英語教育の為に、週4時間のネイティブスピーカーによる英語指導を行い、同時に将来を見据えた進路指導を行ってきた。

 様々なバックグラウンドを持つ学校スタッフ同士でお互いに理解を深めるために行ったのは、まずチームワークを大切にすること。さらに謙虚な姿勢と気持ちで相手を受け入れること。自我を確立し、自分の強みを進化させ活かすという信念をもって職務に取り組むこと。世界基準でグローバルリーダーの育成を心掛け、自分もその一員となることである。これは帰国後の教育実践に経験を活かしていく上での基本的な視点でもある。

 現地での経験を活かして、日本の現場で仕掛ける取り組みとしては、フード・ファッション・フェスティバルの3Fから異文化に対する理解の窓口を開け、その後は自分たちの物差しをリセットし、より内面に迫る話し合いのできる教材の選択が重要である。具体的には、タイの留学生を受け入れた際に日本とタイの文化説明を入り口にしお互いの文化を紹介しあった後、タイから来た留学生が日本で生活するにあたってどんなことに困っているかを聞き取り、全員で解決策を模索していくという授業をした。その際は、ただの文化交流に終わらずに、お互いの文化で大切にしているものや、受け入れがたいものなどがあることに気づくことができた。

討議内容:@内面に迫る交流には相手と同じ目線で、マイノリティーの立場に立ちつつ世界基準をリードする。A「日本のほうがよかった」という受け止め方にしないように他国を受け入れるにはグローバル教材の扱い方に注意を払う。ネガティブな扱いは不可で,深める工夫こそが肝要。B現地での教材は日本と同じだが,その教師らしさやこだわりが表れる。与えられたものだけでなく,もしそれがなかったらの視点を失わなければ帰国後の教材観も変わる。C本物の情報にふれるとは,ものごとの見方、偏見からの脱却である。

司会者名

松居秀幸(阪南市立舞小学校 指導教諭)

記録者名

松居健彦(泉佐野市立佐野中学校 教諭)

 


近畿ブロック大阪大会 国際理解教育A (兵庫) 分科会 記録

報告者名

兵庫県神戸市立高取台中学校 教諭 徳野 雅信

メキシコ日本人学校に赴任して 〜国際校としての日本人学校〜

参加者数

40名

討議の柱

現地での多様な経験を活かし,国際理解教育をどう仕掛けるか。

報告と

討議の概要

【報告】(1)メキシコの紹介:世界遺産,多民族・多言語の国である。貧富の差が見られる(ストリートチルドレンもいる)。2部制の学校で学ぶ。  (2)生活実感:麻薬や犯罪の中ではあるが,住んでみないとわからないフレンドリーさと,24時間警備によってもたらされる治安(銃を持つ警備員)が印象的だった。(3)国民性:愛国心が強い。日本人は服装や髪形からだらしなく見られることもある。日本からの移民も多い。(既に5世になっている)(4)学校の特徴:日本とメキシコの子どもが常に混在して学ぶことから,現地理解がしやすい環境である。英語を介して教科内容を学ぶイマージョンの授業もある。

【日本での教育実践にどう活かしていくか】報告者は中学校の学年主任という立場をフルに活かしている。学年目標に「世界を視野に入れた教育,共に生きる,共に育つ」を組み込んでいる。総合的な学習の時間にどう企画提案するか,ALTの活用(目的や方法を決める)で工夫している。

【グループ討議から】@総合的な学習の時間に,環境,福祉,キャリア教育,外国の人(ALT)の話などを聞くことで人権学習とつなげていく。A誰かが声をあげないと始まらないのだから,その役割を積極的に担っていく。  Bいいところを知るだけでなく,厳しくつらい状況も知ることが大切。強みも弱みも知っていくという姿勢で臨む。例「ラグビー日本代表は日本人?外国人?」という問いかけから考える。C違いを理解するのはアイデンティティをどう教えるかと同じ。同じ敷地に多文化の人々がいる状況であるからこそ日本の学校の独自性が見えてくる。例「学校での清掃活動は他人の仕事を奪うのか?」という問いかけ。Dめざす子ども像は,「自分の良さが認められる,他人の良さも認められる子,自尊感情の高い子,歩み寄れる子」である。Eふるさと教育とは,地域教育のよさであり,自分の思いを語れる大人に育つことを見通す。F子どもは世界が遠いものだと思っているが,身近な所に派遣経験者の教師やいろいろなものが存在することを知ることで,世界を身近に感じられるようになる。私たち派遣経験者は,それぞれの立場から自分の思いを自信をもって発信していけばよい。

司会者名

松居秀幸(阪南市立舞小学校 指導教諭)

記録者名

城 成人(堺市立宮山台小学校 教諭)

 


近畿ブロック大阪大会 多文化共生教育@ (奈良) 分科会 記録

報告者名

生駒市立生駒北小学校 教諭 浦川 直美

参加者数

30名

討議の柱

多文化共生教育分科会:国内外で多文化共生教育をどう仕掛けるか

報告の概要

報告名:シンガポール日本人学校での実践〜たくさんの出会いに感謝〜

・シンガポール日本人学校小学部(クレメンティ校)での取り組みについて、写真や映像を用いてわかりやすく説明。

・特色ある教育として、英語教育、現地校との交流会がある。英語教育は、1013クラスに分けられた英会話、英語だけで学習を進めるイマージョン教育(音楽と水泳)、そして外国語活動がある。外国語活動では、英会話の学習で学んだ表現を使って、現地校との交流会などを実施している。その中で、自分たちで作成した名刺を交換し、自然に英語で会話する場面を作る、といった場面設定をしている。

・インド系、イスラム系、ヒンドゥ系、中華系の各祝日に授業参観を実施し、各自が持つ民族衣装を着てくる機会を作っている。これにより、様々な国の文化を学ぶことができる。

・理科の授業では、教材調達が難しく、写真での学習も少なくない。朝顔が年3回咲く、紅葉は見られない、などの日本の気候との差もある。地理的に、南中高度がほぼ90°で、影が見えなくなることもある。

・学校にいるだけで多文化を学べる、体験できる環境である。

討議の概要

・「多文化共生」とはそもそも何か。

 目の前のこの中に多文化があるのではないか。ルーツが日本にない子もいる。

・保護者で海外経験がある人を招く。

・帰国後の実践をシェア。

→・担当教科で赴任地にまつわる題材を扱う際に、写真を紹介。

・市内に住む外国人に集まってもらい、国際理解教育に力を入れた。

・総合の取り組みで、市内在住の外国人との交流を行ったり、自分たちが住む地域の良さを発信し、外国人のリピーターを増やそうとしたりする。

司会者名

武井 諭(東大阪市立長瀬西小学校 校長)

記録者名

山本 英志(東大阪市立英田中学校 教諭)

 


近畿ブロック大阪大会 多文化共生教育(京都)分科会 記録

報告者名

京都市立桂中学校 教諭 塩見 登

参加者数

35名

討議の柱

多文化共生教育分科会:国内外での多文化共生教育をどう仕掛けるか。

報告と

討議の概要

報告名:「活気?無秩序?混沌?」〜ムンバイそして日本人学校で感じたこと〜

1,インド:ムンバイ日本人学校派遣に際して

10年前、初めて旅で訪れたインドでの大変な経験の印象に反して、3年間の勤務を通してムンバイが家族そろって大好きな地となった。

また、悩んだ末にインドでの出産を決意して出発したが、いろんな事が家族にとっても思い出の地となった。

, ムンバイでの多文化共生(国際理解教育)授業実践

3年間を通して、小規模校だからこそ取り組めたこともたくさんあった。キーワードは、インドにいるのだからインドを感じてもらいたい。インドをもっと考えてほしいとの思いだった。

1年目は、休日を利用した全校児童生徒と保護者と共に取り組んだワークショップ形式の「世界がもし100人の村だったら」。2年目は、これも保護者と一緒に取り組む合同道徳の学習。様々な宗教が混在する国について、また、通学の途中に車窓から目にする現地の子どもたちについて、参加者みんなで考えていった。安全面も配慮して、可能な範囲で現地へ踏み込んでの体験学習として、地元住民の足となっている乗り物「リキシャ」を体験した。また、現地スタッフの自宅を訪問させてもらい、インドは様々な文化が融合し合って成り立っていることを,体験を通して少しではあったが理解できた。

3年目には、保護者も参加したスラム視察を行った。ほぼ全家庭の参加であった。日本と違った生活を間近に見ることができた。日本での私たちの生活との違いの大きさに驚きもあったが、車窓から見る町とは違い、インドを肌で感じインドについてより深く考える大きな経験となった。もちろんその陰には、細心の安全配慮も行われての視察であった。

3,グループ討議を通して

新しく赴任される先生には最新の日本の情報を提供してもらえることに大きな期待が寄せられている。なぜなら、多くの子どもたちは、いずれ訪れる帰国後の様々な準備も必要であるから。インドにやってくると決まって涙を流した子どもたちの多くが、何年間かのインドでの様々な体験を通し、インドを離れ、ムンバイ日本人学校を去るにあたって、もっと多くの涙を流して思い出の地を後にした。

司会者名

武井 諭(東大阪市立長瀬西小学校 校長)

記録者名

的場弥生(大阪市立西九条小学校 教頭)

近畿ブロック大阪大会 現地理解教育@ (大阪) 分科会 記録

報告者名

大阪府能勢町立東中学校 教諭 山田 善紀

参加者数

29名

討議の柱

異文化と出会い、つながる子どもを育てる取り組みをどう仕掛けるか。

報告と

討議の概要

報告名:ブダペスト日本人学校 中学部

〜“ヨーロッパ・ピクニック計画”の学習の取り組み(自由を求めて)〜

報告:ハンガリー人は、“困っている人がいたら助けたい”という人々であり、ベルリンの壁の崩壊に大きく貢献した事実を、ハンガリーに赴任して初めて知ったところから、中学部の生徒と“ヨーロッパ・ピクニック計画”の学習に取り組んだ。聞き取り学習や現地での宿泊体験学習により、生徒たちも感銘を受け、自分たちが受けた感動を文化祭での学習発表劇で表したいと考えるようになった。文化祭での発表は、1年生が東ドイツ市民の当時の生活の様子や不満を、2年生が国境を超えた東ドイツの人々の喜びを、そして3年生がハンガリーの人々の活動を発信するというもので、生徒たちが自分たちで考え作り上げることができた。 子どもたちが感動を受け、そこで学んだことを他の人にも伝えたいと思うようになるには、「本物」に出会うことが大きな要素であった。ハンガリー人が世界を動かすことになった“ヨーロッパ・ピクニック計画”を通して、ハンガリーにいることを誇りに思い、伝える責任を生徒たちなりに考えた結果である。

討議:○この学習は日本人学校ならではの取り組みではあるが、「本物」に出会い、そこから感じ取り、その思いを次の行動に移していく事の大切さ、「本物」が持つ力の大きさを再認識できた。

○「どのような人と出会うか」が大切で、良い出会いがその国の様々な「もの・事」などを好きにさせる大きな要因である。それためには、教師が広くアンテナをはり、その国の人や出来事に興味を持ち、積極的に関わることが子どもたちにとって「良い出会い」をもたらすことができるのである。

司会者名

近藤裕敏(枚方市立長尾西中学校 校長)

記録者名

大泉エリ子(枚方市立開成小学校 教頭)

 


近畿ブロック大阪大会 現地理解教育A (和歌山) 分科会 記録

報告者名

和歌山県橋本市立紀見小学校 校長 森本 敏夫

参加者数

31名

討議の柱

異文化と出会い、つながる子どもを育てる取り組みをどう仕掛けるか。

報告と

討議の概要

報告名:〜25年前と現在の実践を比べながら ESDの視点から〜

報告:コロンボ日本人学校に25年前に派遣された当時は、現地理解活動で街に出ることにも政情の不安定さによる安全優先の制限があった。現在は25年前からの交流(日本人学校への招待など)の継続から、現地校への参加と交流が広がっている。現任校でESDの視点を取り入れた教育を進めているが、そこにはコロンボ日本人学校での現地理解教育で行った体験的な学習や全校的な取り組みが生かされている。ESDを進める上で足りないものは教員の「行動力」であり、ESDで培いたい価値観には「文化的な多様性を尊重する」がある。異文化を理解し、地球市民としての自覚を持つために、派遣教員としての経験を活かし、ホールスクール(児童・教員・保護者・地域住民)による取り組みと、行動力ある教員により学校全体として取り組みを進めている。

討議:○ESDを学校全体に広げるのは難しいが、元派遣者が進めていく事はできるか。

○どういう仕掛けができるかを考えてきたい。

○相手国の歴史をしっかり知ることは大切である。これは、異文化を理解するうえで押さえておきたい。

○帰国後の取り組みが大切。幼稚園で英語に触れる機会を持ったりしている。現地でできたことを少しでも取り入れることができればと思う。

○異国文化を知ることは、日本の良さをより知ることにつながっていく。

 

司会者名

近藤裕敏(枚方市立長尾西中学校 校長)

記録者名

大泉エリ子(枚方市立開成小学校 教頭)

 


《 感想文の部 》

〈 署名付ご挨拶 〉

     全海研様,大海研様 いつも御理解頂きありがとうございます。そして生駒市の浦川先生,京都の塩見先生,楽しかったです。具体的に映像とお話をしてくださいましたので,よく理解できました。この元気な先生が日本でも活躍できますことを祈ります。海外で保護者を巻き込んで授業,活躍されていたことを国内でも是非実践していただければと思います。

分科会では,発表の後短時間ではありましたが,グループ討議があり,他の先生の話も聞くことができよかったです。又,来年を楽しみに。

関西帰国生親の会 かけはし 松本順子様

     近ブロ,大阪大会,大変お世話になりありがとうございました。開会行事,講演,実践報告T,実践報告Uともに,新たな学びがあり,刺激を受けました。特に大阪の山田先生の実践には感銘を受けました。ありがとうございました。

来年は兵庫で全海研の大会と兼ねて開催されます。すでに準備に入り動いていますが,力足らずのところも多々あります。大海研の皆様のご支援,ご協力を,どうぞよろしくお願い申しあげます。                                                兵庫海研 足立 浩 様

     近畿ブロック(大阪大会)の開催おめでとうございます。

多くの準備をされて本日を迎えられ,また,本日の各分科会での,話し合いをしやすい企画にすばらしさを感じました。

多文化共生の分科会に参加しました。日本人学校で取り組んできたことを,日本での教育に生かしていくことは,将来の日本を作り,支えていく上で,大切なことであることを痛感しました。将来の為に今いる子どもたちの教育が重要であることを改めて感じ,再度派遣を希望している私にとって,研鑽を深めることを肝に銘じた次第です。本日はありがとうございました。                             京都 シニア 駒井教雄 様

 

〈 運営全体に関して 〉

     テーマがはっきりと掲げられていたので,参加することでただ知るだけでなく,知ったことを今後の自分にどう生かしたいのか考えながら学ぶことができました。

     分科会においてテーマを決め,討議を行っていく場を設けたのは,多くの方の考えを聞くことができて良かったと思います。学校現場において,国際教育に理解のある人は少なく,同じことに興味を持つ者が互いに意見を交わすことはとても有意義でした。

ただ一つ気になったのは,派遣された教員はもっと多くいるはずなのに,このような国際理解教育研究会に参加しないのは,やはりどの府県においても今後の課題としていくべきだと思います。

     在外教育施設でそれぞれの先生方が熱い思いをもって実践をされていたことがよくわかりました。自分も同じように取り組んでいたことを思い出し,明日からのエネルギーを充填することができました。

     ちがいとは,豊かな出会いとは,もう一度確かめたいと思います。自分のよさを感じることで他人のよさも感じられるようになる!この言葉はすてきなお土産になりました。

     パワフルな先生方のご報告に圧倒されました。派遣希望の先生方の思いに触れられて嬉しかったです。討議の機会をありがとうございました。勉強になりました。

     〈感謝〉大海研の皆様,準備から本番に至るまで入念に計画進行していただき,誠にありがとうございました。お疲れ様でした。

〈 分科会1:国際理解教育について 〉

     目の前の子どもたちがグローバルコミュニケーション力を活かせるようにするためには,教師自身の視点,目線,ものさしをフラットにすることが大切だと感じています。また,一人ではなく,学校として教職員が同じ方向を見て,協力して取り組めるようにしていきたいと思います。

     本日はありがとうございました。

教員がもっている“ものさし”を置いておいて,一つの目標に向かっていくため,自分の価値観を広げていこうと思います。

     様々な経験や実践をされた先生の話が聞けて大変有意義な時間でした。普段の授業の中で悩んでいたことについて,解決のヒントをたくさんいただけたと思います。

材料は日常生活にたくさんあるのでそれを授業に生かす日を持つ必要があると感じました。そのために自身の人権感覚を磨くことが大切だと思います。当たり前のことに“否定的・批判的”な目をもっていきたいと思います。

今後もみなさんからもらったパワーを生かして,国際理解教育を進めていきたいと思います。

     分科会Tは国際理解教育に参加しました。ここでは特に,討議の柱の「現地での多様な経験を活かし,国際理解教育をどうしかけるか」ということを報告の前から確認されていたので,報告の聞き方もグループでの話し合いも先を考えながら行えたように感じました。おもしろかったです。マイノリティの立場に立って,当たり前がそうではないと気づく(体験する)ことで外国の文化を知る時に「え!?」という反応が「へぇ〜!!」と変わることが心に残りました。

     分科会(第T分科会)では,有意義な意見交換・交流ができました。海外を経験された先生方の熱い意見が沢山聞けてよかったです。元気が出る分科会となりました。

     コーディネーター(司会)の先生の進行が絶妙で素晴らしかったです。皆さん(参加者)の意見の吸い上げ方が素晴らしかったです。

     海外勤務経験者の方がたくさんおられ,その話を伺うだけでも興味深く改めて「日本」を見つめ直すきっかけとなった。そこが国際理解教育のスタートであるように思った。

     国際理解教育の分科会に参加させていただきました。帰国後どのように国際理解教育を進めるかということで,様々なご意見を聞くことができ,とても参考になりました。考え方を柔軟にして,できることから,少しずつでも,それぞれの立場で取り組めば良いのではないかと思います。そのためにも自分の国,自分の住んでいる地域のことについて,良さや様々なことをしっかり学ぶことが国際理解教育につながるということが心に残っています。ありがとうございました。

     先生方の実践をお聞きしたり,意見交流をしたりする中で心が熱くなりました。国際理解教育の視点から,今私自身がどのような取り組みをしているのか?改めて考える貴重な機会となりました。また今日のお話からこれからの取り組みに向けて多くのヒントとなることを学ばせていただきました。“世界で活躍する子どもたちのために・・・”同じ熱い思いを持った皆さんの存在を強く実感できた有意義な一日となりました。

ご準備・企画いただきました大海研・近海研の皆様,今日は本当にありがとうございました。

 

〈 分科会2:多文化共生教育について 〉

     汐見先生の話がとても印象的でした!!

私ももっと積極的にしかけていこうと思います!!

     分科会の後半の話し合いが大変よかったと思います。第6講義室でしたが,浦川先生,塩見先生のお話,どちらも興味深かったです。ありがとうございました。

     異文化教育(多文化共生教育)の勉強をさせて頂き,ありがとうございます。今後ますます発展して,日本の子どもたちにどしどし「しかけて」ください。

     多文化共生教育を日本で行う中で,自分たち(派遣教員)ができることを考えました。自分自身を含め,どういった経験も帰国後に報告していくことで活かすことができる。それは派遣教員だけでなく,協力隊など様々な組織が持っていて多種多様な観点から伝えることができる。しかしながら,ネットワークが理解できていなかったり,学校もしくは,市町村単位で国際理解に対する関心に違いがあったりと,壁はいくつかあるように思います。本日の学びから,自分自身でその経験を活かせる場を見つけ出していかないと,傍観しているだけでは何も変わらないことに気付きました。ありがとうございました。

 

〈 分科会3:現地理解教育について 〉

     分科会Uの現地理解教育では,その年によって,担当教諭によって変わるのではなく,変わらない地域と学校の関係のためにカリキュラムを考えるということが大切だということが,個ではなく全体でやっていくということにつながるのだとわかりました。「子どもたちを育む大人のしかけ」を考えていきたいです。

     この研究会に伺う度に,新たな発見があります。今回は,“現地理解”をどうとらえるかについて考えることができました。その土地だからこそできること,日本と共通してできることを整えないと・・・と思いました。

 

〈 派遣教員の帰国後について 〉

     なかなか派遣で得た経験を使えなかったのですが,どのような場面でしかけていくのかという教示をしてもらえました。

     とても勉強になりました。各先生方の取組が,学校の中で引き継がれ,伝えられることを望みます。また,帰国された後の活躍についての発表もぜひ聞いてみたいと思います。

     派遣されておられた先生方のご経験を多くお伺いすることができ,大変有意義な時間を過ごさせていただきました。また,帰国後,どのようにその経験を生かすかというところまで,お話を聞けてよかったと思います。

     人とつなぐ,つながるために何が大切なのかを得て帰国している(はず)なので,現在の勤務校で活かすこと,チームワークづくりに役立ててもらう等で,学校づくりができるのかな,と思いました。ありがとうございました。

 

☆ 今大会は,午前中に行われた大海研主催の『派遣希望者研修会』と通し参加をしてくださった方が多く,その皆様からの感想も多くいただきました。

〈 派遣希望者として 〉

     本日は貴重な大会に参加することができ,大変充実したものとなりました。私は派遣希望者でこれから海外で働きたいと考えていますが,実際に派遣経験者の方の話を伺うことができ,今後の糧になりました。ありがとうございました。

     初めての参加でしたが,とてもエネルギーあふれる会だったと思います。エネルギーをためた先生方の発表を聞いたり,話をしたりする大切な機会を続けてほしいと思います。

     海外にベクトルが向いている方の集まりの中にいることで自分の中にもエネルギーをいただいたな,と思います。

来年度はぜひ市の国際理解教育研究会にも所属し,よりアンテナ高く広い視野を持って臨みたいと思いました。

     初めて海外派遣研修会に参加させて頂き,多くの経験談から沢山の事を学び,改めて日本人学校への思いを再認識することができました。実際に行くとどのような日常が待っているのか,現地に行く前に何をしておく必要があるのか,そして,自分が行って何ができるのかを考える機会になったと思います。日本人学校(勤務)に対する不安はなくなる事はありませんが,日々の学校業務をしっかりと取り組んで,授業力,幅広い分掌といった即戦力になる実力を付けていきたいと思います。今日一日,貴重な研修会を企画して頂き,本当に有り難うございました。

     今回,初めての参加でしたが,たくさんの先生方から貴重な体験談とそれに伴う,現在の実践についての考えを伺うことができたのでよかったです。

どうもありがとうございました。

     今回,初めて研究会に参加させていただきました。分科会で実践報告を,協議会で多くの実践内容をお話ししていただきました。教員としてまだ2年目で,漠然としか海外派遣のことを考えていませんでしたが,派遣されて自分がどうしたいのか,また帰ってきて,日本に住む子どもたちにどんなことを伝えてあげられるのか考えなければいけないと思わせていただきました。貴重な話を,ありがとうございました。

     派遣教員を希望しているため,今回の研究会に参加しました。多くの先生方のご意見を伺うことができ,ますますその思いは強くなりました。

派遣される国,学校に応じて様々な状況があること,それでも自分の信念を大切にして教育活動を行うことが大切だと感じました。もしいつか派遣されることになれば,そこで精一杯活動し,帰ってからの国際理解教育の実践に還元できる人になりたいと思います。ありがとうございました。

     派遣希望者として参加しましたが,集まられた先生方のエネルギーに感動しました。大会の中身は,理解するのに必死でこれまで自分の中になかった課題意識をもつことができたと思います。派遣された国によって仕事の様子は全く違い,どれも現地ならではのものでした。しかし,それらの仕事全てが国際理解につながっていると気づきました。本当に壮大な課題であり,これからの日本の教育に不可欠なものであると感じました。来てよかったです。本日はありがとうございました。

 

〈 運営についての苦言・ご提言 〉

     柱に向けての話し合いはできませんでしたが,経験されている先生方のお話を聞くことで,明日の教育活動に活かせることを少しずつ実践したいと思います。感じたことを形にしていくことが,第一歩なのだと感じました。

     大会の準備・運営お疲れ様でした。分科会ではグループの討議を入れられましたが,必要なかったと思いました。時間が短く,テーマに沿うような討議にはなりにくいというのがその理由です。大会主題がとても興味深く,発表者の話をもとにもっと主題に迫る討議ができればよかったと感じました。

     分科会がとても充実していました。しかし「受付」は,初めに打ち合わせがあるとやりやすかったかと思いました。

     これらのご意見を今後の運営に引き継ぎ,「参加してよかった」と言っていただける近海研大会づくりに活かして参ります。 <大会事務局>



《 資料:同日午前中の大海研行事感想文の部 》

 

2015.10.31.派遣希望者研修会参加者から頂いた評価と感想文

 

<たのしかったか度>の5段階評価

5:とてもおもしろかった                 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  (13)

4:おもしろかった                       ☆☆☆☆  (4)

3:おもしろくもつまらなくもなかった     (0) 

2:つまらなかった  (0)                         

1:とてもつまらなかった         (0)  不明:(1)

平均値約4.8,中間値5 100点換算で95点になります。高い評価です。

*後にもご紹介しますが,ポスターセッションという形態を生かし積極的に自己表現される方が増えてきています。研修を「楽しんでいる」と申しては言い過ぎでしょうか。きっとふだんから「アクティブな授業」を心掛けていらっしゃるのでしょう。子どもたちも同じです。自分から関わろうとする子は学びの場を楽しんでいます。そのお手本ができる先生はステキです。

 

<ためになったか度>の5段階評価

5:とてもためになった                  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  (16)

4:ためになった                              (1)

3:なんともいえない      (0)

2:よくわからなかった      (0)

1:ぜんぜんわからなかった      (0)  不明:(1)

平均値約4.9,中間値5 こちらも100点換算で99点にもなりました。

*一般参加36名+スタッフ15名で総勢51名の参加でした。今回,午後の近海研大会との通しで参加してくださった方が多く,その方々の感想は,「近海研参加者の感想」の方にまとめました。ご参照ください。

*近畿各府県海研の皆様も何名か参加してくださいました。そして「参加者がいい顔して学んでおられますね」という言葉を残してくださいました。大阪は派遣経験者が多い分,伝えたい,お役に立ちたいという気持ちをもった方がたくさんいます。学ぶ側も,教え・伝える側もどちらも「あぁ,参加してよかった」と思える会は長続きするし,大海研は是非そこをめざしたいと考えています。

 

感想文     

 “今”いる現場で授業力を磨き,“何でもやらせていただきます”の精神でがんばりたいと思います。

・2回目の参加になりましたが,改めて勉強になりました。最初臼井会長のお話にもあったように,“今”いる現場で授業力を磨き,“何でもやらせていただきます”の精神でがんばりたいと思います。本当にありがとうございました。

・期待を持って,本日参加させていただいたのですが,正直,少しこわくなってしまいました。今の自分で通用するのか・・・。本日のお話を聴き,今の自分を高めること,さらに様々なことに通用する心を持つこと,それを大切にしたいと思いました。

・短い時間でしたが,とても参考になりました。実際に現地で勤務された方の努力・準備等教えていただくことができ,今後の自分に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

 

「そこ,もう少しくわしく聞きたい。」というところをとてもていねいに教えてもらうことができて,本当に助かりました。

・実際の生活や授業,授業外での分掌や学校運営について,「そこ,もう少しくわしく聞きたい。」というところをとてもていねいに教えてもらうことができて,本当に助かりました。ありがとうございました。

・経験からくるものをたくさん聞くことができたので良かったです。みなさんがとても解りやすく自己紹介,お話をしてくださり,助かりました。

・たくさんの方々からお話を聞くことができて,大変貴重な機会となりました。いつか派遣されるように学んでいきます。ありがとうございました。

 

目の前で,経験者の方々が,質問に応じてくださった。

・ポスターセッションというやり方は,目の前で,経験者の方々が,質問に応じてくださったので,聞きやすい雰囲気があり,良かったと思います。ありがとうございました。

・いろいろな国でのお話が聞けたので,国によってちがいがあり対応は様々ですが,職務に励むイメージができました。ありがとうございました。

・本日はとても貴重なお時間をありがとうございました。特にポスターセッションでたくさん質問ができたのが有意義でした。ありがとうございました。

・自分は近畿ブロックの研究会に参加できないので,実践報告が聞けないので残念でした。いろいろな国の様子が聞けてよかったです。ありがとうございました。

 

「行けたらいいなぁ。」という気持ちが「海外の子どもたちのために役立ちたい」という強い気持ちにかわるような研修

・今回,初めて参加させて頂きました。「行けたらいいなぁ。」という気持ちが「海外の子どもたちのために役立ちたい」という強い気持ちにかわるような研修だったので。

・今日はありがとうございました。初参加でしたが充実した時間でした。来年度の試験に向けて「自分は何ができるか」考えていきたいと思います。(子連れ参加ですみませんでした。)

・現地での日常生活,現地の学校にある校務分掌など知らなかった事がたくさんあり新鮮でした。現地の言葉や文化を,行ってから学ぶこと,とても楽しそうです。現地の子どもたちに何かしてあげる,役に立つためこれからも努力していきます。本日はありがとうございました。

 

キビシイお話を素直に聞かせてもらえた

・時間があっという間に過ぎました。キビシイお話を素直に聞かせてもらえたのは,実際に経験されている方々だったから出てくる優しさのように感じました。本当にありがとうございました。

・経験者の方々の,すごいパワーを感じました。わたくしも志太く(しぶとく)がんばります!!!

 

今後何らかの形で皆様のお役に立てれば

・2012年から,チリ,サンチャゴ日本人学校に派遣されておりました。今後何らかの形で皆様のお役に立てればと思います。どうぞよろしくお願い致します。

・質の高い教員を大阪から胸を張って送り出すため、大海研が熱心に取り組まれている様子が分かりました。微力ながら自分も何かの形で,そしてこのような形でかかわれて良かったです。ありがとうございました。

・今,市教委にいるので,自分が日本人学校の管理職だったらどうするかという視点でお話を伺っていました。懐かしく,また新鮮でした。

 

運営へのご意見

・当日用の名札がシール様のものでもよいのであったらよかったかなと思います。(当日参加で申し訳なかったのですが・・・)派遣先と現在の所属が判った方が派遣希望者の方々のお役に立ちやすかったのかと思います。質問は参加を申し込まれた方から事前にいくつか集めておくと,より時間が短縮できるのでは?

<事務局より>

・ご提案をいただきありがとうございました。確かに事前に質問を集めるのはよいことです。7〜8年前,開会までに質問用紙を配っておいてそれをもとに話題提供をするという形態を何回か取りました。しかし,事前に下調べをしてから参加する方が増えてきて,その場でその方の思いも乗せて直に質疑応答するほうが,話が深まるようになりました。そこでこのポスターセッションの方式を採用するようになってきています。ネットを使う方法も検討できます。しかし,それをいつだれが整理するかが問題です。今は役員が自分の生活時間を削ってやっています。あなたの協力があれば実現できるかも知れません。会員となって協力してください。

・また,当日参加の方への配慮は最小限に留めています。予約参加の方への情報提供に重点を置いているからです。

 

=希望者研風景=

 

    懇親会 の 様子