発 行 大阪海外子女教育・国際理解教育研究会(大海研) 発行日 2006(平成18年)9月19日(月) 連絡先 会長 藤内 博 (大阪府三島郡島本町教育委員会事務局) 電話:075−961−5151 内線171 <この度「帰国報告集(第9集)」が完成しました。投稿下さった本年春の帰国教員の皆様に厚くお礼申し上げます。是非、大海研の仲間に加わり、共に海外子女教育・国際理解教育の推進にご尽力下さるようお願い申し上げます。> |
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大海研恒例の「帰国報告会」
40名を超える参加者で熱く賑わう!
「昨年度末帰国した派遣教員が貴重な実践とホットな体験を語ります」をキャッチフレーズに、本年度の本会主催の帰国報告会を9月16日(土)午前9時30分から大阪市立神路小学校の1階多目的室をお借りして開催しました。3人の帰国教員の方々から帰国報告をしていただきました。 |
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水口先生は、「さみしさはあったけれど、やり甲斐のある補習授業校経営」と題して、見渡す限り山がない、隣の町までずっとトウモロコシと大豆畑の大穀倉地帯にあるオハイオ西部日本語学校補習校で、一人派遣の状態で、運動会や学習発表会の充実をめざし、現地採用教員やPTAと力を合わせながら4年間補習授業校改革に取り組んでこられた足跡を紹介されました。学生時代から写真が趣味とのことで、風景や人物や動物など、たくさんの素敵な映像を提供して下さいました。お話の中でこれから派遣教員をめざす方へのアドバイスとして「『なぜ派遣教員をめざすのか?』という問いかけには『日本の在外教育施設で学ぶ子どもたちに、自分がこれまで身につけてきたことを情熱を持って伝えたい。』という強い決意があることをアピールしてほしい。」とエールを送られました。 |
中村先生は、「釜山日本人学校における学校運営」と題して、日本から飛行機で1時間の韓国・釜山市にある釜山日本人学校での2年間の教頭勤務を通して経験された小規模日本人学校の「私学的」学校運営の課題を中心に、韓国の教育事情や国民性などについて紹介して下さいました。学校経営では、特に学校運営委員会との連携が大変重要であることをエピソードを織り交ぜながら指摘され、学校としての熱意のある努力で乗り越えてこられたことを感じさせる報告でした。また、「慶州ナザレ園(韓国人と結婚してそのまま韓国に留まっておられる独り身の日本人女性のための施設)訪問」など、特色ある取り組みを推進してこられた様子も映像を使って紹介されました。日本と韓国との関係が、「教科書問題」や「靖国参拝問題」や「竹島問題」に関係して揺れる状況の中でも、草の根レベルでの連携をしっかりしてこられたことや、韓国の子どもたちが日本の子どもたち以上に熱心に勉学に励む姿も紹介されました。 |
植村先生は、「サウジアラビア王国 リアド日本人学校」と題して、派遣直前の平成15年3月始まったイラク戦争の中、近隣国のイスラム経国であるサウジアラビア王国のリアド日本人学校という超小規模校での3年間の実践や、現地社会での生活について紹介して下さいました。小学校から男女別学のため、現地校との交流は幼稚園やインター校と行っていることや、日中摂氏40度を超え、屋外での運動が過酷すぎるため運動不足になりがちであることや、それに代わるものとして年中水泳指導に取り組んでこられ、1年生でも数百m泳げることなども紹介されました。一番の迫力は「自分の身は自分で守る」ことの重要性が強調されたお話でした。同じ日本人学校の同僚の家の近くで爆弾テロが発生し、運が悪ければ犠牲者になっていた緊張感ある映像を示されてのお話でした。日々の危機管理の重要性を実感させてくれました。 |
会場を埋めた40名を超える参加者は、それぞれの帰国報告に熱心に聴き入っておられました。そして予定よりも20分ばかりオーバーして3時間半に及ぶ帰国報告会は閉会となりました。以下に帰国報告会の様子を写真でお知らせいたします。 |
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来賓あいさつ(財団・山下良一相談員) | 水口泰司さん・オハイオ西部日本語学校補習校 |
中村民江さん・釜山日本人学校 | 植村誠さん・リアド日本人学校 |
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