日米における学校・保護者の責任分担対応について シンシナティ補習授業校 西田 富男 |
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90号巻頭言(2010年1月20日発行) | ||
今まさに新型か季節性か、ニュースによるインフルの罹患者の数に耳を傾けている。本校保護者の中には「我が子に限って大丈夫だ!」と登校させている現状に、本校の様子を紹介したい。 が・・ なので・・ |
ぎる時さえ「excuse me !」「sorry!」が出る、幼児期からの「躾」でしょうか。日本ではどうだろうか? 上記の@〜Cの件は保護者の判断と言うよりも責任感の度合いではなかろうか。アメリカ合衆国という多人種、異文化の国ならばゆえに、自分勝手な行動をすれば目立つ社会である。ある日本人児童(低学年)が微熱で登校したところ、即保護者が呼び出されて警告を受け、「退学」させられ近くの学校へ転校したとか・・多くのアメリカ人は他人を「respect」しながら自分の「status」を堅持する、家族という単位が集まって社会を構成し、自分も責任を持って地域の一員として貢献し、役割を担っているんだ、という責任感を持っている、と私の目に映った。 2.学校別ランク付などへの保護者対応について この地域には多数の公立と少数の私立があり保護者は学校自由選択制(日本の言葉で)で近隣校へ行こうが遠距離へ行こうが保護者の自由である。その選択する理由の中に、教育方針の違い、教員の資質の違い、宗教による違いなど多種多様な学校格差が面々とある。 また、学力調査が、小中高大学とも毎年行われて公表されるので、アメリカ人は当然その結果で選択権を行使出来るシステムになっている。各学校種ともそれなりに芸術、文化、IT、スポーツなどの特色を持っているため、一概に学力の云々で選別をされてはいないのが現状である。 日本人保護者は、主にその地域の公立学校へ通学している。本校教員曰く「選択出来るので能力に合わせた学校が選べ、将来、何になるか職業選択まで考えられる」、「いじめなどは日本国内以上にあり、また『drug』による事件が多いが、そのための学校規則が厳守さされて人権侵害なら即警察へ通報し逮捕が当たり前であるなど安全面は保障されているので安心」だとか。アメリカ人には、日本国内で起きた生徒が授業中に校内の危険場所へ上がって落ちた事故で学校側の責任(管理職、教員が処分)など理解に苦しむのではないか。 私自身、異質な文化で混じり合って生活することは一種の優越感があるものの、その根底には日本人として「誇り」を大事にしたいという狭い考えが横たわり、その殻から抜け出せず、世界の架け橋になれ!と叱咤激励しながらまだまだ未熟な自分がいる、現在である。 保護者の中には、長期及び短期の滞在者の考えがあり、不意に出る「ニアミス」をしながらも異質文化にとけ込もうと努力がされている昨今ではなかろうか。 |